メダカの文化
江戸時代のメダカ
江戸時代、メダカの野生種であるクロメダカの鑑賞が庶民の間で流行しました。水鉢に砂利を敷き、その砂利にセキショウを植え、水を浅く張ってメダカを泳がせていました。この頃、既にヒメダカ
が存在し、広く親しまれていたようです。
その後、メダカの人気は金魚により下火となりました。メダカより飼育が難しい金魚も、江戸中期には庶民が飼育できるようになってきて、ヒメダカよりも美しい金魚が愛されるようになったようです。
20世紀に入ると熱帯魚ブームにより、さらにメダカの人気は低下します。この頃のヒメダカの扱いは、大型熱帯魚のエサです。皮肉にも、ヒメダカは熱帯魚のエサとして広がったのです。
現代のメダカ
21世紀になり、楊貴妃という非常に赤い色のメダカが誕生し、再びメダカブームが始まりました。品種改良が繰り返され、ダルマメダカや光メダカが固定され、熱帯魚同様の人気を得るようになったのです。
しかもメダカは熱帯魚よりも飼いやすく、購入コスト、飼育コストも熱帯魚より低いため、どんどんメダカの人気が高まっています。
メダカの飼育では、金魚や熱帯魚のようにエアレーション(ブクブク)が必要ないため、さまざまな鑑賞方法が出来ます。
水槽に限らず、スイレン鉢での飼育、浅い水鉢
での飼育も可能で、小さな睡蓮鉢に水生植物を植えて、鉢の真ん中に置いて水と緑とメダカを楽しむという、夏の涼を楽しむ風流な文化が生まれました。
食卓の真ん中に小さな水鉢を置いて、美しいメダカを鑑賞したり、玄関脇にスイレン鉢を置いて赤いメダカを飼育し、訪れる人の目を楽しませたりするほど、メダカは身近な観賞魚になりました。
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